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中国における一部先進製造業に対する未控除増値税の還付優遇措置について解説します。中国当局は、先進製造業の未控除増値税の還付条件を緩和するため、条件を満たした事業者に対して緩和政策を実施することにしました。本件について解説していきます。

具体的な事例

2010年に日本法人 B 社の 100 %子会社として設立された中国法人 A 社は、通信設備の製造及び販売を主たる事業としています。 A 社はこれまで税金関連の詐欺がなく、処罰も受けていないので、納税信用等級の A 判定を受けてきました。

A社の通信設備関連の直近1年間( 2018 年 7 月~ 2019 年 6 月)の売上は、総売上の 80 %に達します。

未控除増値税は、 2019 年 3 月末、 4 月末、 5 月末、 6 月末時点で、それぞれ、 30 万元、 0 元、 5 万元、 30万元になっています。 2019 年 7 月末には、増加未控除増値税の還付を申請する予定です。

未控除増値税に関する新制度の概要

中国税務当局は先進製造業の未控除増値税の還付条件を緩和するため、財務部、税務総局公告2019 年第 84 号(以下、「財税 (2019)84 号」という)公告を公布しました。 2019 年 6 月 1 日を起点に、以下の条件を満たす一部の先進製造業納税人は、主管税務機関に対して、 2019 年 7 月、及びそれ以降の申告期において増加未控除増値税 1 の還付を申請することができます。

・増加未控除増値税がゼロ以上であること
・納税信用等級がA或いはBであること
・還付申請前36 か月間において還付、輸出還付、専用発票に関する詐欺行為がないこと
・還付申請前36 か月間において、脱税等を理由として 2 回以上の処罰を受けていないこと
・2019 年 4 月 1 日を起点に「即征即退、先征後返 退 」 政策 2 を享受していないこと

税金試算

一部先進製造業納税人の還付される増値税の計算式は以下のとおりです。

増加未控除税額×進項3 構成比率

なお、「進項構成比率」とは、2019 年 4 月から還付申請前の一納税期間において、すでに控除した増値税専用発票、輸入増値税専用支払書及び税金納付済証明書に記載されている増値税額と同期間における控除した増値税額の総額の比率です。

A社の場合、 2019 年 4 月から 6 月まで控除した増値税専用発票、輸入増値税専用支払書及び税金納付済証明書に記載されている増値税額が 270 万元、同期間における控除した増値税額の総額が 300 万元 でしたので、進項構成比率は270÷300=90%と計算されました。
したがって、還付される増値税額=(30-10)×90%=18 万元になります。

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1 「財税(2019)84 号」での「増加未控除増値税」とは、2019 年3 月31 日の残高と比較して増加した未控除残高です。
2 即征即退、先征後返(退)規定に従い、先に増値税を納付し、財政部門あるいは税務部門が審査した後税金を還付する政策です。
3 進項は本来仕入税額を意味します。

 

「財税(2019)84 号」はあくまで一部の先進製造業に対する優遇措置であり、すべての先進製造業に対する優遇措置ではありません。

一部先進製造業とは、《国民経済業界分類》の、非金属鉱物製品の生産販売、汎用設備、専用設備及び計算機、通信およびその他電子設備販売額が、全売上高の50%を超える納税人を指します。

この50%の比率計算は、還付申請前の連続する12 か月における販売状況で計算します。また、還付申請前の経営期間が12 か月に満たない企業(ただし最低3 か月の経営期間が必要)は、実際の経営期間で計算します。

 

◆ 情 報 提 供 :太陽グラントソントン(グラント・ソントン 加盟事務所)

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