EMZTIMES

無形資産取引に対する課税見直しとは?移転価格税制の改正を詳しく解説

EMZ(エムズ)通信

2019年4月30日発行  第74号

 

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国際税務ニュースレター

2019年4月号

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花の盛りもあわただしく去り、晩春の愁い感じる季節になりました。
皆さまお健やかにお過ごしでしょうか。

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本号のテーマ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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■ “無形資産取引に対する課税見直しを含む移転価格税制の改正

2019年4月1日、現行のOECD移転価格ガイドラン(以下「ガイドライン」)に準拠する内容に見直された租税特別措置法(以下「改正措置法」)が施行されました。以下で述べる移転価格に関する改正は、2020年4月1日以後開始する事業年度分の法人税について適用されます。

移転価格税制が対象とする無形資産取引には、独自性が高く比較対象取引の特定が困難な無形資産取引が含まれます。無形資産を開発する研究開発活動には、その成否やリターンの予測に不確実性を伴うことがあり、これが無形資産取引に係る独立企業間価格算定において、納税者と当局の間に見解の相違を生じさせる一つの原因となっていました。

このような環境下において、2018年12月21日に閣議決定された税制改正大綱(以下「大綱」)では、移転価格税制の対象となる無形資産の明確化が示されました。そのうえで、比較対象取引が特定できない無形資産取引に係る独立企業間価格の算定方法に「DCF法」が加えられ、さらに、評価困難な無形資産の価格調整措置において「所得相応性基準」を、比較対象取引の利益率を参照する価格算定方法に係る差異調整について「四分位法」を導入することが明らかにされました。

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移転価格税制の対象となる無形資産

改正措置法では、無形資産が「有形資産及び、金融資産以外の資産として政令で定めるもの」と定義されました(措置法66の4⑦二かっこ書)。大綱は、移転価格税制の対象となる無形資産を「法人が有する資産のうち、有形資産及び金融資産以外の資産で、独立の事業者の間で通常の取引条件に従って譲渡・貸付け等が行われるとした場合に対価の支払いが行われるべきもの」としていましたので、詳細は政令の規定に委ねられた結果となっています。

ガイドラインでは、会計や法的な定義に拘泥するよりも、独立企業間で行われるであろう取引の分析に主眼を置くべきであると述べており(ガイドラインPara6.6)、バランスシートに計上された無形資産や特許権・商標権等、権利化された無形資産のみならず、独立企業間で対価の授受が行われる可能性がある取引を広く検討すべきと考えられます。

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所得相応性基準

改正前のガイドラインは取引時に知りえない情報(後知恵)を用いた課税に批判的でしたが、改正ガイドラインは一定の条件を設けたうえで、取引実施後に判明した結果に基づく所得相応性基準による調整を認めています。

改正措置法では所得相応性基準の適用を特定無形資産取引に限定しました。この特定無形資産は、国外関連取引を行った時に評価することが困難な無形資産として政令で定めるものと定義されています(措置法66の4⑧かっこ書)。

ただし実際に行った取引対価と所得相応性基準により算定された対価の額が著しく相違しない場合には、調整を行わないこととする金額基準が設けられました(措置法66の4⑧かっこ書)。さらに当該特定無形資産国外関連取引について別表17(4)に記載があることを最低条件とした詳細な適用免除要件も設けられました(措置法66の4⑨一・二、⑩⑪)。

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DCF法

DCF法は、無形資産取引等が生み出す将来キャッシュフローを適切な割引率で割り引いて現在価値を評価することで価格を算定する方法です。比較対象取引が特定できない場合でもキャッシュフローと割引率が把握できれば価格算定が可能となります。

また大綱では推定課税においてもDCFが認められることが明らかにされています。納税者から適切な書類の提供が無い場合には、調査官が無形資産移転時に知り得る情報に基づきキャッシュフローを見積もり、これを割り引くことで無形資産の独立企業間価格を推定することを想定していると考えられます。

推定を覆すには、納税者が独立企業間価格を示さなければなりませんので、DCFによる推定課税をも念頭に置いた取引価格の設定が必要になるケースも生じるでしょう。合理的なキャッシュフロー予測、割引率、リスクの反映等を、取引開始前に必要に応じて検討しておくべきです。

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四分位法による差異調整

比較対象取引は比較可能性が確かめられたもののみが選定されなければなりません。「国外関連取引と比較対象取引との差異が価格又は利益率等に及ぼす影響が無視できず、かつ、その差異による具体的影響額を算定できない場合には、比較可能性自体に問題がある点に留意する必要がある。」(移転価格税制の適用に当たっての参考事例集【事例9】)とされているとおり、比較対象取引の候補に、定量的に把握できる差異がある場合には、必要な調整を加え、定量的な把握が困難な差異がある場合には除外することで比較対象取引を選定しています。なお、複数の比較対象取引が独立企業間価格の幅を形成する場合には、最小値から最大値の範囲(フルレンジ)を独立企業間価格としてすることが認められています(措置法通達66の4(3)-4)。

 

大綱では、四分位法による差異調整を認めることとしています。これまでは定量的に把握することが困難な差異がある場合は、比較対象取引から除外されていましたが、改正後は定量的な調整が困難な場合でも、四分位法を適用することで、定量的に把握することが困難な差異を含む比較対象取引の候補からなる分布の上下25%を除外して、独立企業間価格の幅の算定することが可能となります。四分位法による調整が認められる差異の範囲は明らかにされていないため、通達・事務運営指針等での明確化が待たれます。

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お見逃しなく!

移転価格税制における更正及び更正の請求期間が6年から、1年延長され7年となります。

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編┃集┃後┃記┃
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平成最後の1日をどのようにお過ごしでしょうか?
“人々が美しく、心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つ”「令和」時代の
幕開けを厳かに迎えたいものですね。

最後までお読みいただき、有難うございました。

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