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平成31年の税制改正により過大支払利子税制の見直しが行われました。過大支払利子税制のような利子控除制限制度は近年イギリスやアメリカにおいても導入されています。これらの動向は、OECDがBEPS Action 4により、利子控除制限制度の導入を勧告していることが背景となっています。

過大支払利子税制の改正

法人の関連者純支払利子等の額が調整所得金額50%を超える場合には、その超える部分の金額は損金の額に算入されないこととされています(措法66の5の2第1項)。

平成31年度改正における主な改正点は以下のとおりです。

・対象となる支払利子等の拡大

 対象となる利子が関連者純支払利子等から純支払利子等になり、関連者に対する純支払利子等に限定されなくなりました。ただし、支払利子等を受ける者の日本の課税所得に含まれる支払利子等の額、一定の公共法人に対する支払利子等の額及び貸付と借入の対応関係が明らかな債券現先取引等にかかる支払利子等の対象外支払利子等の額として対象から外されています。

・損金算入限度額の引き下げ

損金算入限度額が、調整所得金額の50%から20%に引き下げられます。調整所得金額は、当期の課税所得に減価償却等及び純支払額を加算したEBITAに近い金額です。さらに、調整所得金額を計算するにあたり、受取配当金等及び外国子会社配当金等の益金不参入による所得加算が考慮されなくなります。

・適用除外の拡大

(i) 対象純支払利子等の金額が2,000万円以下(現行1,000万円)の場合

(ii) 50%超発行済株式保有等の関係がある内国法人グループにおいて(純対象支払利子等の額-純対象受取利子等の額)/(調整所

得金額の合計額-調整損失金額の合計額)≤ 20%

BEPS Action 4の論点と改正案

現時点において政令が公表されていませんが、BEPS Action 4において議論された論点が政令にどのように反映されるか注意していく必要があります。

(1) 経済的に利子と同等な支払

BEPS Action 4においては、利子と同等の支払いも本税制に含めるように勧告しています。例えば、ファイナンスリースにおける金利相当部分、転換社債やゼロクーポン債の帰属利子、借入にかかるデリバティブやヘッジ取引における想定金利、借入その他資金調達にかかる為替差損益、資金調達にかかる保証料、資金調達にかかるアレンジメントフィー等が挙げられています。

この点、改正法においては、支払利子等は、「法人が支払う負債の利子(これに準ずるものとして政令で定めるものを含む。)」(措置法66条の5の2②二)と規定されています。

(2) 除外ルール

BEPS Action 4においては、公的なプロジェクトにかかる非関連者金利等を本税制の対象から除外することを認めています。この点について、対象外支払利子等の額(措置法66条の5の2②三)が規定されています。

対象外支払利子等の額の中で、課税対象所得に含まれる支払利子等の額については、「当該者が個人又は法人のいずれかに該当するかに応じ、それぞれ所得税又は法人税の課税標準となるべき所得として政令で定めるものをいう。」(措置法66条の5の2②三イ括弧書き)と規定されています。

 

「課税対象所得に含まれる」の意義について注意する必要がありそうです。

 

本改正は2020年(平成32年)4月1日以後に開始する事業年度から適用されます。また、過小資本税制は引き続き残るため、過大支払利子税制において、適用除外要件を満たした場合でも、過小資本税制の適用を受ける場合があります。

 

◆ 情 報 提 供 :太陽グラントソントン(グラント・ソントン 加盟事務所)

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