EMZTIMES

【個人所得税】中国子会社からの出向者の受入れに係る所得税の取扱いとは?

EMZ(エムズ)通信

2018年7月31日発行  第30号

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中国会計・税務実務ニュースレター

2018年7月号

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いよいよ夏本番を迎えます。
皆様、暑さに負けずがんばってまいりましょう!

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本号のテーマ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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■■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ “中国子会社からの出向者の受入れに係る
日中個人所得税の取扱い”

海外子会社の人材育成や、日本国内の人手不足の解消のために、海外子会社から積極的に人員を受け入れる会社は少なくありません。

今回は、中国子会社からの出向者の受入れに係る日本の所得税及び中国の個人所得税の取扱いを、以下の事例に沿って紹介します。

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1. 事例
日本法人A社は、中国の100%子会社B社の中国国籍従業員Cを、企業内転勤ビザで1年以上の期間に渡り、出向受け入れを行うことになりました。

受け入れ期間中のCの給与は全額B社が負担します。

なお、Cは、今まで日本に居住したことがなく、給与所得以外の所得はありません。

また、Cは年間の殆どを日本で勤務しますが、数週間の中国出張も予定されています。

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2. 概要

(1) 納税義務者及び課税所得の範囲

① 内容

区 分 日 本 中 国
定 義 課税所得の範囲 定 義 課税所得の範囲
居住者 非永住者以外の居住者 日本国内に住所があるか又は現在まで引き続いて1年以上居所がある個人 全ての所得(所得が生じた場所が日本国の内外を問わない。) 中国国内に住所を有する個人*1又は1年以上居住に該当する個人 中国国内源泉所得+国外源泉所得
居住者 非永住者 居住者のうち日本国籍がなく、かつ、過去10年以内の間に日本国内に住所又は居所を有する期間の合計が5年以下である個人 日本国内源泉所得+国外源泉所得(日本国内において支払われたもの又は日本国内に送金されたもの) 居住者のうち、中国国内に住所を有せず、かつ1年以上5年以下の居住 中国国内源泉所得+中国国内払い分の国外源泉所得(国外払い分の非課税扱いにつき、税務署による認可が必要)
非居住者 居住者以外の個人 日本国内源泉所得のみ 中国国内に住所を有しない1年未満の居住 中国国内源泉所得のみ

*1 中国国内に住所を有する個人とは、戸籍、家庭、経済利益関係により中国国内に「習慣性居住」がある個人とされています。「習慣性居住」とは、居住者か非居住者か判断するための法律上の基準であり、戸籍(中国国籍)の有無が「習慣性居住」判断基準の一つとされています

 

② 本件の場合
Cは1年以上の期間、日本法人A社の業務に従事するため、日本の居住者となります。

なお、Cは中国の国籍を有しており、中国国内に習慣性居住があるとして中国当局より中国の居住者であると主張される可能性がありますが、本件においては日本に滞在する期間はA社の出向期間と一致しており、中国国内には習慣性居住の事実は認められませんので、中国の居住者には該当しないことにご留意ください。

 

(2) 日本及び中国の申告方法及び申告納付期限
① 内容

日 本 中 国
源泉徴収 給与支給時に源泉徴収され、原則として、翌月10日までに納付。 源泉徴収 給与支給時に源泉徴収され、翌月15日までに納付。
自主申告 翌年2月16日~3月15日までに申告・納税。 自主申告 “給与支給月の翌月15日までに申告・納税。
年間所得が一定額以上の者は、上記①の申告の他、翌年3月末までに申告・納税。

 

② 本件の場合
B社が給与支給者であり、Cの中国出張に係る中国源泉所得について、源泉徴収義務者となります。

B社は給与支給時に源泉徴収し、翌月15日までに納付します。

 

(3) 日中租税条約15条(以下「183日免税ルール」)の適用の有無
①「183日免税ルール」とは
非居住者(中国の非居住者C)は、居住地国(日本)だけでなく、勤務した国(中国:短期出張)において課税されるのが原則ですが、下記の要件を全て満たせば、居住地国(日本)以外で行った勤務については居住地国(日本)においてのみ課税されます。

a. 勤務した国(中国)の滞在期間が183日を超えないこと。
b. 報酬が勤務地国(中国)の居住者でない雇用者又はこれに代わる者から支払われるものであること。
c. 報酬が、雇用者が勤務地国(中国)に有する恒久的施設又は固定施設によって負担されない(損金に算入されない)こと。

② 本件の場合
Cの給与は中国企業B社から支給されるため、上記①bの要件を満たさず、183日免税ルールの適用はありません。

 

(4) 二重課税に伴う外国税額控除
① 内容
居住者は、所得の生じた場所がどこであるかを問わず、全ての所得について居住国で課税されますが、国外で生じた所得について外国の法令で所得税に相当する租税(以下「外国所得税」)を課される場合、居住地国及びその外国の双方で二重に所得税が課税されます。

この国際的な二重課税を調整するために、居住者が外国所得税を納付する場合には、一定の金額を限度として、その外国所得税の額をその年分の居住地国の所得税の額から差し引くことができます。

② 本件の場合
Cは日本の居住者なので、中国源泉所得に対して課された中国所得税額について外国税額控除の適用を受けることができます。

なお、中国で一日も勤務しない場合、日本からみると国外源泉所得はないということになり、外国税額控除を受けることはできません。

なぜなら、国外源泉所得の定義は、給与等の報酬のうち「国外において行う勤務に基因するもの」(所法95④十イ)となっているからです。

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お見逃しなく!
Cの労務提供先はA社なので、Cの給与はB社ではなくA社が負担するのが合理的です。

このような場合、中国当局は、中国親会社B社が日本子会社A社に不当に利益を移転したとして、移転価格課税を行う可能性があります。

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