2021年のアメリカ不動産価格の中央値※は、前年比で16.9%上昇したと全米不動産事業者協会の調べで発表されております。
※中央値(MEDIAN)とは、価格を順番に並べた際にちょうど真ん中となる値のことです。
アメリカでは、コロナ渦の影響により、物件を手放さすのをやめたり、引っ越しをする人の増加、世界的に木材価格が高騰したウッドショック、人手不足、低金利などが様々の悪条件が重なったことで住宅不足に陥りました。
コロナ禍が少々落ち着いたとはいえ、ウクライナ情勢悪化もまだ続いており、全く油断できない状況ですが、今後もアメリカでの不動産価格上昇は続くのでしょうか?
今回は、今後のアメリカ不動産価格の見通しを見ていきます。
目次
まだまだ上昇する予想が圧倒的!
アメリカの不動産価格は、2022年以降も上昇傾向にあるとの予想が、大多数です。というのは、今まで賃貸派だった人たちが、持ち家に興味を持ったことで、家を購入したい!という需要の数に物件数が追いついていないことがあります。
コロナ渦でスティホーム期間があったせいか、アメリカでも住まいの充実、重要性を見直す人が増えたことも事実です。
不動産は、固定資産であるので不足してすぐ生産補充とはいきません。アメリカでの物件不足と価格上昇はまだまだ続くのではないか?!という見解が大多数です。
どのくらいの上昇が予想されるのか?
アメリカ不動産価格の上昇は、2022年以降どのようになるのか気になりますね。
ゴールドマンサックスでは、2022年は2021年と同じような上昇率、2023年度は更に6.2%上昇するのではないかと予想してます。
オンライン不動産データベースを運営するアメリカの企業、Zillowもゴールドマンサックスと似たような予想を立てています。
しかし、アメリカ政府系金融機関のファニーメイ(連邦住宅抵当公庫)は、上記2社とは異なり、若干下降するのではないかとの予想です。その根拠として、住宅ローン30年固定金利の平均が3.1%から3.4%に上がることを前提としてます。そのことで家を購入する人が減少し、2021年と比べて物件価格の上昇にストップがかかるのではないかと予想しています。
あくまで予想なので、どうなるか不明なのは事実ですが、2023年からガラッと大きく変わることはなさそうですね。
アメリカ不動産投資の今後はどうなるの?
パンデミックによる歴史的な住宅不足に陥ったアメリカでは、居住目的の物件購入希望者が溢れました。その状況では、外国人の投資目的での不動産購入は、ほぼ不可能でしたが、2021年に比べて住宅不足は、やや落ちついて来ていて、外国人による投資目的の物件購入が増えてきているそうです。
やっぱり平米単価が魅力的!アメリカ不動産投資
ニューヨーク州やカリフォルニア州など、不動産価格が世界的に高額な土地は別ですが、アメリカの不動産は、世界の先進国と比べてもやはり安価です。例として、近年、値上がり率が上位にあるテキサス州やアリゾナ州の治安、学区が良い人気エリア内の物件が、平均的に日本円で約5〜6,000万円程度で購入可能です。
テキサス州やアリゾナ州の物件内容は、広さが300平米程度で4ベッドルームの広々とした物件ですので、世界中の投資家が、アメリカ不動産を安価に感じるのはもっともです。
アメリカの強さ
知っての通り、アメリカは移民の国です。それにより、経済や人口は、他の国と比べて安定性が高いと言えます。
他の先進国とは逆に、アメリカの人口の増加は継続されており、物件の購入や賃貸に限らず、需要は増加の傾向です。需要が多いということは、不動産価値が上がるということです。
不動産投資家にとって、アメリカ不動産投資は、リスクの少ない魅力的な投資ではないでしょうか?
また、戸建て物件の不動産投資の他にも賃貸用としてコンドミニアムの一室を投資用として購入するのも人気です。この方法だと、戸建ての物件を購入するより若干、購入のハードルは低いですね。
またアメリカは、広大で豊かな国土をもつ農業国であり、シェールガス・シェールオイルをもつエネルギー国です。ということは、自国で生産し、他の国々へ輸出も可能です。それにより、経済的にも安定を望めます。
全米及び世界中から集まる学生
アメリカには、世界有数の大学や研究所が沢山あります。そこで学ぶためにアメリカ国内全土はもちろん、世界中から学生がアメリカへやってきます。
そのため、有力大学や研究所がある教育レベルの高い地域の不動産価格は、他所と比べて高い傾向があり、入居と退去が繰り返し行われるため、空き部屋になることが少なく不動産投資に向いています。
結局、今後はどうなる?
世界情勢など様々な要因で左右されますが、今後もアメリカの不動産投資事情は明るそうですね。そして、外国人にとって「アメリカに不動産をもつ!」という憧れといいますか、ステータスは、2023年現在になっても揺るぎなさを感じます。