資産運用のため、アメリカの不動産投資を考える人は多いと思います。
日本よりも広大で移民の国、アメリカ。
外国人に対する規制が少なく、自由に不動産を購入でき、投資目的に最適なイメージがあります。
不動産投資家が一度は考えたことがあるアメリカ不動産投資ですが、実際、どんなメリット、デメリットがあるのでしょう?
今回は、アメリカ不動産投資のメリットとデメリットにフォーカスしてみます。
目次
移民の国、アメリカ不動産投資のメリット
人口増加率が右肩上がり
少子化の日本は、人口減少傾向が顕著ですが、ご存知の通り、アメリカは様々な民族が集まる、いわば移民の国です。
アメリカは、1960年代をピークに人口増加数は減少していますが、現在でも人口は増加しています。
州によって増加傾向は異なりますが、まだまだアメリカは不動産投資家にとって魅力的な国です。
融資に積極的
海外不動産投資の融資に対して消極的な金融機関が目立ちますが、アメリカ経済の安定性からアメリカの不動産投資をする際、融資を積極的にしてくれる国内の金融機関はあります。
外国人に規制がない
例えば、東南アジアの一部では、外国人が不動産を購入するには、様々な規制があり、政府の許可や購入最低価格も決められています。
アメリカで外国人が不動産を購入する場合は、特に外国人に対する規制はなく、土地も購入出来、価格も規制もないので、アメリカにおける不動産投資は、自由な選択が出来ます。
加速度償却を活用可能
加速度償却は、日本の法人税制を活用した場合に有効な制度です。
通常より短期間で資産の減価償却を行う方法で、法定耐用年数を超えた不動産を購入した際、償却期間は「法定耐用年数×0.2」年となります。法定耐用年数である22年よりもかなり短期間で償却できます。
アメリカは日本と違い中古物件の状態もよく人気があります。
加速度償却を活用して、早めに資金を多く残せることはメリットです。
移民の国、アメリカ不動産投資のデメリット
アメリカの不動産投資のメリットについて触れましたが、勿論良いことばかりではありません。勿論、デメリットも存在します。
小さい融資率
アメリカ不動産投資のメリットで「融資に積極的」と記載しましたが、実際、融資比率は低く、高くても50%くらいです。なので、ある程度の現金の用意は必要となります。
例えば、1億5,000万円の不動産をアメリカで購入する場合、金融機関から融資されるのは、最大7,500万円です。それ以外は、現金を用意する必要があります。
税制改正により、節税効果が期待できない
アメリカの不動産投資の減価償却費は、築22年以上の木造物件は4年間の減価償却申告が認められていました。それにより、節税対策としてのメリットがありましたが、2020年度の税制改正により、赤字になるような減価償却費の計上が認められなくなり、以前ほどの節税効果はあまり期待できなくなってしまいましたが、以前として償却と節税の効果はあります。
時差、言語の違い
アメリカの不動産購入後、時差もあり、管理が行き届かないという問題があります。その上、言葉や文化も異なります。時差もあり、物件所在地も海外ということで遠隔対応となります。その際、様々な連絡や対応をメールや電話で基本英語で行うことになるでしょう。自身での英語での対応が難しい場合は、日本語が通じるエージェントに仲介サービスをお願いするのも一つの考えです。
失敗しないためのポイント
失敗するためにアメリカ不動産投資をする人はいないと思います。
失敗を出来るだけ避けるためのポイントを押さえていきましょう。
治安と学区をチェック
アメリカでは、学区ランクを重要視します。犯罪率が低くても学区ランクの低い地域の不動産は資産価値が下がる傾向があります。公立学校であっても学区のランク付けが明確なので、犯罪率と並行して学区ランクも調査したほうがいいでしょう。
学区ランクは10段階で評価をし、それによって不動産価格が大きく変わってくるようになります。
築年数で判断しない
日本では、築浅物件は人気がありますが、アメリカでは、中古の方が価値が上がる場合もあります。築年数を重要視するのではなく、手入れの良く届いた中古物件に人気があるのが事実です。物件の価値観は、日本とは異なるということを忘れずにいたいです。
文化を知る
日本では、「駅近物件」というのは、人気の大きなポイントです。しかし、アメリカでは、大きなハイウェイや空港近くが人気のポイントとなります。
そして、車社会のアメリカの地域では、車が足代わりになるため、大きなガレージやカーポートが必須という人がほとんどです。
また、バスルームが部屋についた寝室、マスターベッドルームがある物件が人気となっており、日本の住宅事情とは異なります。
タイトルカンパニーを使う
売主と買主が安心して取引できるように、タイトルカンパニーの使用をお勧めします。タイトルカンパニーとは、不動産を売買の時に所有権移転を代行サービスをする業者です。日本の司法書士業務のような役割です。
売買取引の一連の流れを円滑に、且つ安全に進めることができるよう仲介してくれます。
アメリカ不動産投資をすることについて
人気のアメリカ不動産投資には、メリット・デメリットが存在することは、ご理解いただけたと思います。どんな事でも投資にはリスクがあります。日本で不動産を購入する場合、その物件の詳細(土地の治安、立地など)をくまなく調べる人がほとんどだと思います。それは、海外不動産を購入するときでも同じことです。
アメリカは、日本と違い銃規制がなく、場所によっては治安に不安がある地域が各地に存在します。また、地盤の悪い不動産などを進めてくる悪徳エージェントも存在します。
国内、海外に限らず投資を行う際は、その土地のこと、州の法律などをエージェント任せではなく、自身でも学ぶ姿勢が大切です。